1.集配駅

 ハルピン発、ジャムスでバスを乗り継いで鶴崗に到着したのは午後3時過ぎ。日没までそれほど時間がなく、できることは限られているけれど、このまま無為に過ごすのも勿体無いということで妻をホテルに残して、息子と二人で明日の偵察もかねて早速蒸気探索に出発。
 目指す炭鉱鉄道の駅が、国鉄の鶴崗駅からは若干離れているということは、ネットの情報で知っていたけど、どこにあるかは皆目検討もつかず。そもそも肝心なネット情報をプリントアウトしてくるのをすっかり忘れていた。
 とりあえずホテル前の客待ちのタクシーを捕まえて
「国鉄の駅じゃない、小さい火車の駅に行きたい」
 と言ってみるが、運ちゃんはきょとんとするばかり。そこで、ペンを借りて
「煤鉱鉄路的火車站」とぐりぐり書いて見せるとようやく分かってくれたようだった。
 で、その運ちゃんが連れて行かれたのがここ「集配」駅。鶴崗の駅前のホテルからタクシーで5分もかからず。場所は、ちょうど鶴崗の国鉄駅と広いヤードを挟んで反対側。 
建物の中はこんな感じ。
正面の窓の向こうに列車員らしいおばちゃんたちがたむろっていた。
その窓の上に掲げられているのが時刻表。
おばちゃんに運転時刻について質問すると、恐らく私のような奇特な人間の対応に慣れているのだろう、この列車の時刻は変わっているとか、この列車は今は運行されていないとか、切符は車内で買うんだよとか、ホームは建物の隣の階段から降りていってね、とか親切に教えてくれた。
でもよく考れば、時刻表くらい修正しろよ、と思う。ま、気にする人なんていないのだろう。それくらいおおらかな鉄道ってことです。
で、早速ホームにおりてみる。
この写真は実は翌日に撮ったものですが、雰囲気を知ってもらうためにここで使います。この写真の一番右手が、炭鉱鉄道のホーム。
この写真の左手にヤードがずーっと続いていています。

次の集配発の列車は18時35分ということで、発車まで2時間あまり、駅で撮り鉄をしながら列車を待つことにしました。
興山発の24列車が二番線に到着。正面に赤い飾りをつけた装飾機、上游0905です。
ちなみに客車の下にあるコンクリート製の石段のようなものがステップになります。二番線から発着するときはこのステップを使って客車から昇り降りするわけ。
下車した乗客は三々五々散って行きます。線路を横断して。
装飾部分のアップ。
駅構内には蒸気牽引の貨物列車もひっきりなしに行きかいます。

写真は上游3014。
先ほど客車を引っ張っていた装飾機、上游0905が今度は石炭車を引いてやってきました。
夕闇迫るころ、上游1498の引く峻立発の8列車が今度は一番線に到着。
この写真は先頭を向いている蒸気機関車ばかりですが、それはたまたま。テンダ側を先頭にして入ってくることもあります。
この列車の折り返し便が、乗車する9列車になります。
さすがにもう暗くて撮影は無理。
蒸気機関車に一駅だけ乗って、南山で下車。タクシーでホテルへ戻りました。

2.運転手のおっちゃん