鉄道車両ロングセラーランキング

 長期間製造され続けた鉄道車両をランキング化しました。
 その結果、上位は貨車や特殊な客車に独占される結果に。貨車は構造が単純で、あまり技術革新の余地がないからでしょうか。そんな中で14位に京王電鉄3000系がランクインしているのが異色。
 ちなみに1位のシム1形の製造期間は、1920年11月~1987年5月。鉄道院が鉄道省に改組されたのが、1920年5月ですので、もし製造があと半年間ほど早ければ、鉄道院・鉄道省・国鉄・JRの四つの組織にまたがって製造された、恐るべきロングセラー車両になったのに、残念です。 
【注記】
・製造期間グラフの濃い赤色部分は、実際に製造された年を示します。
・製造期間が同年の場合は、製造両数の多いほうを上位としています。
順位 製造時所属事業者 形式 車種 製造年数 製造期間 製造両数
1 鉄道省・国鉄・JR貨物 シム1形 貨車
(大物車)
68 34
2 日本電力・黒部峡谷鉄道 ナチ形 貨車
(長物車)
62 4
3 大井川鉄道 スロフ300形 客車 50 17
4 鉄道省・国鉄  タキ300形 貨車
(タンク車)
45 ?
5 鉄道省・国鉄  タム400形 貨車
(タンク車)
43 ?
6 黒部峡谷鉄道 ボハ1000形 客車 42 40
7 岩手開発鉄道 ホキ1000形 貨車
(ホッパ車)
41 52
8 鉄道省・国鉄 シ1形 貨車
(大物車)
37 9
9 四日市あすなろう鉄道 ク160形 電車 36   4
10 鉄道省・国鉄 ワキ1形 貨車
(有蓋車)
33 390
11 鉄道省・国鉄 タム100形Ⅱ 貨車
(タンク車)
32 264
12 国鉄・JR貨物 タキ5450形 貨車
(タンク車)
31 697
13 鉄道省・国鉄 タム500形 貨車
(タンク車)
31 621
14 鉄道省・国鉄 タム5000形 貨車
(タンク車)
31 368
15 京王帝都電鉄 3000系 電車 30 146
16 鉄道省・夕張鉄道ほか 9600形 蒸気機関車 29 773
17 鉄道省・国鉄 キ100形 貨車
(ラッセル車)
29 194
18 国鉄・JR貨物 タキ29300形 貨車
(タンク車)
29 62
19 国鉄・JR貨物 タキ43000形 貨車
(タンク車)
27 819
20 国鉄・JR貨物 タキ7750形 貨車
(タンク車)
27 289
21 国鉄・JR貨物 EF66形 電気機関車 26 89

鉄道車両ロングセラーランキング・その2(貨車除く)


 貨車を入れてしまうと、上位を貨車に独占され、登場が期待されたであろう名車の数々が登場する余地が全くなくなってしまい、先ほどのランキングを見てがっかりした方も多いかもしれません。
 が、ご安心ください!貨車なしバージョンも作成しています。
 ロングセラーというに相応しい名車が並ぶ中、異色なのは地方私鉄の雄、遠州鉄道30系。足掛け23年間、じわじわ作り続けた28両。その間ゆっくりと進化を続けて、登場時と、最終増備の車両ではまるで別モノになっていますが、それでも同じ30系を名乗っているため、ちゃっかり?ランクインです。
順位 製造時所属事業者 形式 車種 製造年数 製造期間 製造両数
1 大井川鉄道 スロフ300形 客車 50 17
2 黒部峡谷鉄道 ボハ1000形 客車 42 40
3 四日市あすなろう鉄道  ク160形  電車 36   4
4 京王電鉄 3000系 電車 30 146
5 鉄道省・夕張鉄道ほか 9600形 蒸気機関車 29 773
6 国鉄・JR貨物 EF66形 電気機関車 26 89
7 国鉄・JR貨物 EF81形 電気機関車 25 164
8 国鉄 0系 電車 23 3,216
9 帝都高速度交通営団 6000系 電車 23 353
10 遠州鉄道 30系 電車 23 28
11 函館市交通局・企業局 8000形 路面電車 23 10
12 国鉄 103系 電車 22 3,447
13 京阪電鉄 2200系 電車 22 103
14 国鉄 115系 電車 21 2,024
15 東武鉄道 8000系 電車 21 712
16 国鉄・JR東日本 415系 電車 21 507
17 鉄道省ほか C12形 蒸気機関車 21 310
18 国鉄 113系 電車 20 2,909
19 京浜急行 1000系Ⅰ 電車 20 356
20 京王帝都電鉄 6000系 電車 20 304
21 国鉄 EF64 電気機関車 19 132
22 東武鉄道 1800系 電車 19 54
23 北勢鉄道・三重交通 モハニ50
→モニ220
電車 19 9

鉄道車両隠れロングセラー


 遠州鉄道は、車体長が変わろうとも、釣掛駆動からカルダン駆動に変わろうとも、冷房を載せようと同じ30系名乗ってロングセラーになりました。京王6000系も、制御方式が変わっても、五扉車が登場しても全て同形式にまとめており、結果ロングセラーランキングにランクインしました。
 形式を分けるときの考え方は、各社様々。大幅な仕様変更があっても、かたくなに形式を変えない事業者もあれば、少しの仕様変更で細かく形式を変える事業者もあります。ここでは少しの仕様の違いで複数の形式に別れてしまったため、惜しくもランクインしなかった「隠れ」ロングセラーをいくつか紹介します。
順位 製造時所属事業者 形式 車種 製造年数 製造期間 製造両数
番外1 神戸電鉄 1000系列 電車 26 106
番外2 帝都高速度交通営団 1800形
1900形
2000形
1500N形
電車 24 182
番外3 東急電鉄 8000系
8500系
8090系
8590系
電車 23 677
番外4 山陽電鉄 3000系
3050系
電車 22 131
番外5 近畿日本鉄道 900系
8000系
8400系
8600系
8800系
電車 20 379