(架空)札幌市交通局2003コンテンツ一覧

 走れば走るほど赤字を垂れ流す札幌の地下鉄。高騰する路線建設費、車両などの設備更新費を回収することもままならず、その利息を払うだけでいっぱいいっぱい。その赤字は単年度で200億を超え累積赤字はとうとう4000億円を突破してしまいました。市民一人一人に22万円の借金を背負っている計算になるわけです。もはやこれ以上新線が建設されることもないでしょう。またゴムタイヤ式という札幌地下鉄独特の特殊な駆動方式はJRなど既存の鉄道との相互乗り入れの可能性を封じてしまいました。もしも他都市の地下鉄のように鉄の車輪で地下鉄を建設してさえいれば、「大通発新千歳空港行き」、「石狩当別発真駒内行き」のような電車が実現していたかもしれないのに。いったいどこで歴史の歯車が狂ってしまったのでしょうか?

 さて、ここで歴史の転轍機をちょっといじってみましょう。今回の歴史の転換点は昭和41年(1966年)。史実ではこの年イタリア・ローマで開催されたIOCの席上、札幌冬季オリンピックの開催(昭和47年実施)が決定しましたが、もしもこの時冬季五輪が開催されていなければ・・・。地下鉄の建設は当然遅れ、その後のオイルショックと路面電車見直しの機運によって、札幌市では今なお路面電車が市内交通における重要な地位を占めていたはずです。いやそれどころか
地下鉄建設に伴い廃線となった、定山渓鉄道や複線化工事によって廃線となった千歳線旧線(現白石サイクリングロード)を路線に組み込み全国でも希有な路面電車網を築きあげていた可能性があります。建設費や路線維持費の安い路面電車ですからもちろん赤字とは無縁。路線の新設も地下鉄に較べるとはるかに安上がりで、なおかつ既存の鉄道との相互乗り入れもゴムタイヤ式の地下鉄に較べれば容易ですから、今より遙かに使いかっての良い路線網になっていたかもしれません。

 「不思議な転轍機」第2回のテーマは我が地元「札幌」、その、ありえたかもしれないもう一つの交通史を追っていきたいと思います。

(ご注意)当コンテンツ以下における札幌市・札幌市交通局・札幌市電などの記述は、特に特記がない限り札幌オリンピックが昭和47年に開催されていないという前提に立った筆者の脳内にのみ存在する妄想上の札幌市・札幌市交通局・札幌市電を示します。現実の札幌市・札幌市交通局・札幌市電とは全く別のものとお考え下さい。

●札幌市交通局路線図…路面電車王国となった架空の札幌、その2003年時点での路線網です。
●日本の路面電車現況(札幌市交通局編)…札幌市交通局の沿革、車両などを鉄道ピ●トリアル風味で紹介します。
●札幌市電妄想案内所…札幌市電各路線を現実世界の風景を織り交ぜながら紹介します。
●妄想コラム…架空札幌市交通局の各種設定をとりとめもなく考える場です。