芭石鉄道・沫江煤電お役立ち情報
芭石鉄道・沫江煤電を訪問するにあたって必要な地図やアクセスデータ、それに各路線の時刻表や路線図などの各種をまとめてみました。路線訪問する際の参考としてご活用下さい。
(データは正確とは限りませんので、ご利用の際は必ず現地確認をお願い致します)

アクセス編
芭石鉄道訪問の拠点となるのは沫江煤電訪問の拠点となるのは沙湾という町です。軽便鉄道が走る土地だけに、何かとんでもない僻地にあるのではないかと思われますが、意外にも四川省の省都成都からバスに乗りそれぞれの拠点となる町へは、わずか三時間程度で辿りつくことができます。


■成都から為へ(201km)
為へのバスは成都の南側、空港近くの石羊客運站から発着しています。
運行時間8:35〜16:30くらいまで20分〜30分毎、所要約3時間、運賃は51元。
成都市内から石羊客運站へのアクセスですが、市バスを利用するここを参考にするとよいでしょう。
空港からだとタクシー利用メーターで20元(他に高速代10元別途)、約20分の距離ですが、空港で客待ちしているタクシーがメーターで走ってくれるかどうかは不明。
石羊客運站切符売り場 成都→為行きのバス


■成都から沙湾へ(178km)
沙湾へ直行するバスは成都駅近くの城北客運中心や中心街に近い成都旅游客運中心(新南門車站)から出ていますが、本数が少なくふらっと行って気軽に乗れる感じではなさそうです。もっとも便利なのは、石羊客運站または成都旅游客運中心(新南門車站)から発着する楽山行きに乗り、楽山で沙湾行きに乗り換える方法だと思います。

■成都から楽山へ
沙湾はどちらも楽山地区に所属する町で、楽山地区の中心都市、世界遺産にもなっている楽山大仏でも有名な楽山から両都市へのバスは頻発しています。ですので短時間で芭石鉄道・沫江煤電の両方を楽しみたい場合は、ここを拠点とするのも一つの手です。特に沙湾の沫江煤電のほうは、沙湾市街から駅までのアクセスに芭石鉄道ほど時間がかからないこともあり、わざわざ不便な沙湾に泊まらず楽山を拠点にして日帰りで訪れたほうがいいかもしれません。楽山はそれなりに大きな観光都市ですので、立派なホテルやレストランもよりどりみどりです。
楽山への高速バスは成都の空港近くの石羊客運站からの便と、中心部に近い成都旅游客運中心旧名新南門車站、こちらのほうが一般的には通りがいいです)から頻発しています。基本的には石羊客運站からの便は楽山の中心站に、成都旅游客運中心からの便は楽山郊外の(一部中心站着もあり)に到着するようになっているようです。
成都から楽山まではひたすら高速道路をぶっ飛ばします。市の南郊外の石羊客運站始発の便ですとわずか100分程度で楽山に到着することができます。この成都-楽山を結ぶ高速バス、約10分間隔で、成都発、楽山発どちらもだいたい7時発から19時発くらいまでの便があるようです。


楽山から為、沙湾へ

楽山には中心站聯運站の三つのバスターミナルがあり、目的地によって使い分けているので注意が必要です。
※各バスターミナル間の利用はタクシーが一番便利です。楽山のタクシーは初乗り3元。中心站から聯運站までは、メーターを使って5元。所要約7分。(ただしバスターミナルで客待ちしているタクシーは短距離客は露骨に嫌がりメーターでは行きたがりません)

●楽山から為へ
楽山から芭石鉄道へのゲートウェイとなる建為の町行きのバスは聯運站から発着しています。
運行時間6:35〜18:05まで10分毎、所要約70分、運賃は■元。
また、私は未確認ですが朝に一本だけ聯運站から、芭石鉄道の出る石渓へ直接行くバスの便もあるそうです。行きのバスに乗り沙咀で途中下車。沙咀より対岸の嘉陽へ渡し舟で渡るというアクセス手段もありますが、こちらはやや旅慣れた人向きです。

●楽山から沙湾へ
沙湾への便は、中心站・聯運站の二箇所のバスターミナルから発着しています。
運行時間6:30〜18:30まで15分毎、所要45分、運賃8元。


■成都から国鉄を利用する
楽山、沙湾にはそれぞれ国鉄の駅があります。ここをご覧になっている鉄道好きの方々であれば中には成都から国鉄で行こうと考えている方もいらっしゃるかもしれません。ただ楽山へ行こうとする場合は、成都以外の遠方から直接楽山にアクセスしようとしているするのでなければ、やめておいたほうが無難です。楽山駅はもはや楽山とはいえない隣町にありアクセスは非常に不便です。
ただ沙湾へは発着列車が一日一往復しかありませんが、時間帯がよく、また沙湾の鉄道駅から沫江煤電の草駅まで2路の市バスば結んでいてアクセスも良いため意外に使えるかもしれません。
成都より楽山・沙湾へ
発駅 着駅 車次 成都発 成都南発 楽山着 沙湾着
成都南 普雄 8619 - 08:10 11:00 12:19
西安 昆明 K165 15:15 - 16:59 -
江油 攀枝花 5621 - 16:54 18:36 -
重慶 攀枝花 N855 18:49 - 21:03 -

楽山・沙湾より成都へ
発駅 着駅 車次 沙湾発 楽山発 成都南着 成都着
攀枝花 重慶 N856 - 04:38 - 06:50
攀枝花 江油 5622 - 06:44 08:35 -
昆明 西安 K166 - 11:04 - 12:58
普雄 成都南 8620 13:00 14:10 17:40 -
※時刻は2006年10月版の時刻表を使用。
芭石鉄道編



町の概要
岷江沿いに開けた小さな町。市街地は小さく、ほぼメインストリートの鳳凰路一本のみと言ってもいいです。芭石鉄道を訪れるにはこの町からさらに石渓などへ行くバスに乗り換える必要があります。しかし芭石鉄道沿線の小さな町は宿泊、食事などの条件が整っていないため、ある程度の快適さを求めるなら、ここを拠点にして日帰りで芭石鉄道を訪れるのがベストです。

バスターミナル
小さな町ですが、バスターミナルは南門車站と北門車站の二箇所があります。
南門車站からは成都、楽山などの長距離バス、北門車站は周囲の小さな町や村を結ぶローカルバスが発着しています。
芭石鉄道の始発駅、石渓行きのバスは、北門車站から発着しています。
南門車站と北門車站の間は市バスもありますが本数が少なく不便ですので、この間は徒歩(片道10分強)もしくは輪タク利用するのがいいと思います。輪タクの料金は交渉制ですが目安としては2〜3元程度です。

◆南門車站
成都行きの最終は16時ごろ、楽山行きの最終は18時ごろです。

◆北門車站
芭石鉄道の始発駅、石渓行きのバスが発着しています。ただし、終点の石渓まで乗ってしまうと芭石鉄道の石渓駅からかなり離れてしまいます(芭石鉄道の石渓駅は地名で言うと嘉陽というところにあります)ので、切符の購入時に必ず小火車の石渓站に行きたい旨を言うなり、紙に書くなりして伝えてください。芭石鉄道の石渓駅へは下車点からバスの進行方向左斜め前方に向かって分かれていく坂道を登っていけば到着します。北門車站から石渓までの所要時間は20分。運賃4元。6:20〜18:00の間に約15分ごとに運行しています。
※その他、北門車站出発、芭石鉄道沿線行きバス
三井(芭石鉄道躍進橋) 6:20 10:55 15:00 18:00
菜子 12:00 16:00
芭溝 8:20 15:00
為北門車站


●ホテル
◆新波大酒店
北門車站近くにある為きっての高級ホテル。といっても二つ星だそうです。フロントでは380元と180元の2タイプの部屋の価格を掲示していましたが、おそらく交渉すれば安くなるはず。
◆南亜賓館
北門車站近くにあるホテル。私が泊まったのはここです。去年できたばかりなので建物は新しいですが、部屋はガランとしていてちょっと殺風景な感じがします。シャワー、トイレ、エアコンつきのシングルルーム(といってもダブルベットで部屋の広さはツインルームと同じ)が80元。
◆その他、鳳凰路沿いの北門車站と南門車站のちょうど中間くらいの位置に、銀珠賓館と鳳凰賓館の二軒のホテルがあります。値段はおそらく南亜賓館と似たり寄ったりでしょう。
南亜賓館


■芭石鉄道

■芭石鉄道概要
 芭石鉄道(中国名芭石鉄路)は1957年開業の石炭運搬用の専用鉄道です。芭溝で算出する石炭を、岷江沿いにある石渓まで運び出すために作られたため、芭溝と石渓から一字づつ取って芭石鉄路と呼ばれています。全線19.8km、軌間762mmの軽便鉄道で国鉄線との連絡のない孤立した路線となっています。このうち電化区間は石渓から躍進橋までの4.4km。電化区間では電気機関車も貨物用に使用されていますが、主力として全線に渡って使用されてるいるのはC2形という小型の蒸気機関車で、現在4両が在籍しています
 主に貨物運搬のために作られた鉄道ですが、客車列車も運行しており、未だに平行する道路がないため、沿線住民の貴重な足になっています。一時は炭鉱の採炭量の減少から存続が危ぶまれていましたが、現在では数少なくなった現役の蒸気運行路線のため観光資源として注目を浴びるようになり、特に2月下旬〜3月上旬にかけての菜の花のシーズンには多くの観光客を集めて賑わいを見せています。

■時刻表
 下記のように旅客列車は基本的には一日四往復。他に石渓から躍進橋まで電気機関車牽引の貨物列車が設定されています。多客時には上記以外に臨時増発列車が運行されます。臨時増発列車は定期列車より約30分先行。焦覇にて列車交換を行います。
芭石鉄道列車時刻表
駅名
2000 1630 1300 0930 石渓 0700 1030 1400 1730
1945 1615 1245 0915 躍進橋 0715 1045 1415 1745
1928 1558 1228 0858 蜜蜂岩 0732 1102 1432 1802
1918 1548 1218 0848 菜子 0747 1117 1447 1817
1908 1538 1208 0838 仙人脚 0757 1127 1457 1827
1900 1530 1200 0830 0805 1135 1505 1835
1855 1525 1155 0825 芭溝 0810 1140 1510 1840
黄村井 0815 1145 1515 1845
※時刻表は2007年2月現在のものです。

■運賃
運賃は中国人料金と外国人料金の二本立てになっています。
中国人料金の場合は全線で3元ですが外国人はその5倍の15元です。区間乗車の場合はこれより安くなるようで、例えば躍進橋から石渓まで中国人料金で乗車したときは1元、芭溝から菜子まで外国人料金で乗車したときは3元でした。
中国人料金の切符は始発駅の石渓のみ駅の待合室にある窓口で購入しますが、その他は乗車後に購入します。石渓で購入する場合は、早め(出発の1時間前くらい?)に買わないと座席が売り切れてしまう場合があるので要注意。石渓以外での乗車の場合は車内で各車両に一人づついる切符売りから購入します。
外国人と分かった場合は、治安面、安全面の問題から編成の中央に連結される保安員の乗務する「工作車」に乗るように指示されます。この場合、切符は通常は窓口で切符を購入する石渓駅であっても工作車に乗務する切符売りから切符を買うことになります。
中国人料金に比べると5倍も高い外国人料金ですが、必ず座席が確保できるというメリットもあります。観光シーズン中の客車の混み方は尋常ではありません。居住性がお世辞にもいいとは言いがたい客車に立ちっぱなしのスシづめ状態で1時間以上すごすのはかなりの苦行です。そんな場合には、たとえ中国語が堪能であっても外国人であることをアピールすれば席にありつくことができるのはありがたい話です。
芭石鉄道の切符


■その他
●お勧め乗車位置
蒸気機関車の音を堪能したい場合、石渓出発時には最後尾に乗車してください。
もっとも外国人バレした場合は、編成の中央に連結される「工作車」に乗車することになるので余り関係ありませんが。
●機関車の向き
ターンテーブルがないため、機関車は常に一定方向を向いています。
石渓発芭溝行きの列車では出発時は機関車が後ろ向きに連結されていますが、蜜蜂岩でスイッチバックしますので、それ以後は終点の黄村井まで機関車が正面を向きます。芭溝発石渓行きはその逆です。
●SMALL TRAIN−嘉陽小火車
こちらが外国人だと分かると切符売りが、こんな本を売りに来ました。
オールカラー40ページの写真集兼沿線紹介です。簡単な路線地図も掲載されています。値段は20元でした。
この本の表紙写真は、上記の路線地図に記載した仙人脚〜焦間の線路沿いに池がある有名な俯瞰撮影ポイントにて撮影したものです。



沫江煤電編
■沙湾

町の概要
沫江煤電の電化ナロー線の起点駅のある町です。行政的には楽山市に組み込まれていて、楽山市沙湾区となっています。

●沙湾汽車站から沫江煤電草駅へのアクセス
楽山からのバスは全て沙湾汽車站に到着します。沙湾汽車站から沫江煤電の草駅までは距離にして約5kmとかなり離れていますので、徒歩では厳しく、バイクタクシーや路線バスで行くことになります。
バイクタクシーは汽車站の前にたむろしていますので、つかまえるのは簡単です。「小火車草站」と言えば連れて行ってくれるでしょう。料金は交渉次第ですが目安としては5元ほど。
路線バスは2路バスが汽車站と、沫江煤電の草駅のすぐ近く、煤電公司まで結んでいます(料金1元)。バス乗り場は汽車站のすぐ目の前の地図で書いたポイントあたりです。2路バスはおおよそ15分毎に運行されているようですが汽車站が起点となるため、ここに止まっていることが多いです。また一部のバスは汽車站よりさらに先、火車站まで運行しているようですが数は多くありません。

●沙湾汽車站から楽山へのアクセス
6:30〜18:00の間に10分毎に運行しています。(所要45分、8元)
バスによって、中心站終点のものと聯運站終点のものがあるようです。私の乗ったバスは、まず中心站で客を降ろしたあと、さらに聯運站に向かいました。

■沫江煤電
●路線概要
沙湾区の草を起点として老砿と向陽の二方向に路線を延ばす軌間762mmの炭鉱鉄道で、全線電化されていて緑色に塗られた小さな電気機関車が貨車や客車を牽引しています。草からトンネルを抜けた隧道口まで老砿・向陽両線共用。隧道口で二方向に別れます(厳密に言うと、向陽線が草〜向陽、老砿線が隧道口〜老砿となるようです)。運賃はどちらの路線も1元均一です。
老砿線は短いながらも、運転本数が多く、橋を渡り、炭鉱の中を進み、道端の併用軌道を走り、民家の間をくぐり抜けるといったように車窓の変化に富んでおり、時間の関係でどちらか一つということであれば、こちらに乗車するのがお勧めです。
向陽線は、直線区間が多く変化に乏しい路線ですが、距離が長く乗り応えという点ではこちらが上。ただし本数が一日四往復しかないのがネックです。
沫江煤電の切符

●路線沿線へのアクセス
駅から線路沿いに隧道口方向に歩くと、トンネルが現れます。このトンネルですが、歩行者も通り抜け可能。このトンネルを出た隧道口駅がバイタクだまりになっていて、ここでバイタクを拾い沿線各地に行くことが可能です。私はここからバイタクを使い5元で老砿駅まで行ってもらいました(もっと安くできたかも・・・)。

●列車時刻表
老砿線(全線約3km、所要時間約15分)
発・・・6:00 7:10 9:20 10:30 12:10 13:00 15:50 17:00 17:50 20:20 22:10 23:20※
老砿発・・・6:20 7:30 9:40 10:50 12:30 13:30 16:10 17:20 18:10 20:40 22:30 23:40※
※最終23:20発とその折り返し23:40発は状況により取り消される場合あり。
向陽線(全線約9km、所要時間約30分〜40分)
発・・・8:00 14:00 16:40 21:00
向陽発・・・8:45 14:40 17:15 21:45

時刻表は、老砿線・向陽線いずれも2007年2月現在のものです。両線とも上記旅客便の他、多数の貨物列車が設定されています。