NY5・6・7型 1967年・72年
2006.04.17 中国鉄道博物館
車両解説


 NY5・6・7
は1967年と1972年に計34両が輸入された旧西ドイツ、ヘンシェル製の液体式ディーゼル機関車で、エンジン出力や性能の違いにより3形式に分かれているが、車体はどれもほぼ同じ兄弟車だ。

 各形式の共通項としてあげられる車体は、全長23m超と非常に大柄かつ、車体上部がすぼまっているのが大きな特徴だ。これは、この機関車がヨーロッパの車体規格にあわせて作られているためであり、車両限界がヨーロッパより大きな中国鉄道を走る上では必要ないものだが、外見上大きなアクセントになっていると言えよう。またエンジン出力が異なるものの、ターボ過給機を備えた大出力エンジンを二基搭載しているのも各形式に共通する特徴である。

 まず1967年に導入されたのがNY5。試作車的な意味合いが強く輸入されたのは4両のみ。エンジン総出力は3400馬力で歯車比を変更することで旅客列車、貨物列車のどちらも牽引可能な万能機である。旅客列車仕様とした場合の最高速度は160km/hとのことだが、当時中国鉄道では160km/h対応の客車も路線も存在しなかったためいささかオーバースペック気味である。

 続いて1972年に導入されたのがNY6・7で、輸入両数はそれぞれ10両(0001〜0010)・20両(0011〜0030)。両者はエンジン形式の違いにより区別され、NY6はメルセデス・ベンツ製の4400馬力エンジン(2200馬力×2)、NY7はMAN製の5000馬力エンジン(2500馬力×2)をそれぞれ搭載している。両者とも旅客用として登場したが、歯車比を落として運転最高速度は120km/hとした。

 NY5〜7は全機が北京機関区に配置され、NY5・6は、主に平坦線である京滬線、京広線の旅客列車用として、また高出力のNY7は33‰の急勾配区間のある京包線八達嶺越え区間の補機として使用され、それぞれ京滬直達特快や要人専用列車、モンゴルやロシアへの国際列車という花形運用を任されていた。

  登場から30年以上が過ぎた現在、寄る年波に勝てず、NY5型については全機が引退し北京の鉄道博物館に0003号機が保存されているのみ。NY7も2004年9月に国際列車の牽引を外れて以降は定期運用がなくなり、現在の生き残りはラストナンバー30号機の1両のみと絶滅寸前の状況である。ただNY6については要人輸送列車の専用機関車予備機として数両が残されており、時おり臨時列車の先頭に立つ姿を見ることができる。

NY5型データ
製造初年 1967年
製造国/メーカー 西ドイツ・ヘンシェル
軸配置 C-C
動力伝達方式 液体式
全長 22960mm
自重 130t
ディーゼル機関及び機関出力 MB893B6×2(ターボチャージャー付) 2500KW/3400PS
最高速度

160km/h


NY6・7型データ
製造初年 1972年
製造国/メーカー 西ドイツ・ヘンシェル
軸配置 C-C
動力伝達方式 液体式
全長 23460mm
自重 138t
ディーゼル機関及び機関出力 MB16V652TB10×2(ターボチャージャー付)3380kw/4400PS(NY6型)

MA12V956SB10×2(ターボチャージャー付) 3960kw/5000PS(NY7型)

最高速度

120km/h


NY6型は専運車の予備機として数台が北京機務段で大切に保管されている。
2006.04.03 北京機務段
稀に多客時の臨時列車も牽引するNY6型。
2008.03.01 北京東便門
車体に取り付けられたヘンシェルの銘盤。
2006.04.03 北京機務段