東風11G型 2003年〜
2007.04.29 北京駅
車両解説

 豪快なディーゼル音を轟かせながら目的地目指して160km/hのハイスピードで暁の空の下を駆け抜ける白い列車群。現在の中国鉄道の夜の王者といえる、このZ列車の先頭に立つのが東風11Gである。
 
 東風11の重連仕様であるという点は東風11Zと同様だが、車体は完全にモデルチェンジされ、高速車両に相応しい流線型の現代的フォルムとなった。エンジンや発電機、モーターといった主要機器類は東風11で実績のあるものをそのまま使用しているが、160km/h走行可能な区間が拡大したことによる連続高速運転に耐えられるように軸箱、軸受けにはより信頼性の高い輸入品を用いている。

 また、この系列も最も特徴づけるのは、機関車内に客車給電用の発電システムを備えていることであろう。従来の空調客車は、空調発電車という発電専用の電源車を連結しなければ空調を効かせることができなかったが、東風11Gは機関車機関車にサービス電源用の発電機を備えることで、空調発電車の連結を不要としたのである。このため、東風11Gと同じく登場し、Z列車に使用される25T系客車には電源車は製造されていない。
 
 東風112004年の第五次ダイヤ改正でデビューした後、現在までに74組(148両)が増備され、中国鉄道の看板車両としての地位を着々と固めつつある。近年CRHシリーズが登場して以来、高速列車としてスポットライトを浴びる機会は減ったものの、安全かつ快適な夜の旅を提供する名パートナーとして、今後も活躍を続けることだろう。
 
 この東風11に対して、鉄道部が付けた命名は機関車の車体側面にも大きく書かれている「跨越」号。日本語に訳せば「飛躍号」となろうか。この機関車を飛躍的に発展する鉄路の象徴とすべくつけられた命名であるが、中国の鉄道ファンは、そのようなかしこまった名でこの機関車のことを呼びはしない。彼らはその特徴的な正面スタイルから「猪頭」(豚の頭)と親しみを込めて呼んでいるようだ。


東風11型データ
製造初年 2003年
製造所 戚墅堰機車車輌廠
軸配置 C-C+C-C
動力伝達方式 電気式
駆動方式 中空軸平行カルダン
全長 21250mm×2
自重 138t×2
ディーゼル機関及び機関出力 16V280ZJA 3610kw/4910PS×2
電動機総出力 3040 kw×2
最高速度 170km/h
午後の北京機務段には夕刻から夜にかけてZ列車で運用されるDF11G型が集結している。
2007.0521 北京機務段