東風4型 1974年〜 2004.12.25 北京北
車両解説
東風4型は北は黒龍江省の大森林から南は椰子の木茂る海南省、東は太平洋に面した港町から西は新疆ウイグル自治区の砂漠地帯まで、広大な中国大陸のどこででも、客車や貨車を牽引している姿を見ることができる中国を代表する機関車だ。また、製造期間の長さと、その派生形式の多さから中国で最も成功した機関車であると言うこともできる。中国を鉄道で旅したことのある方なら、「緑亀」というニックネームそのままの濃緑色に塗られた半流線型のその車体を一度はどこかで目にしたことがあるはずだ。
東風4型は、1969年に試作車完成、1974年から量産が開始された、電気式ディーゼル機関車である。電気式ディーゼル機関車には、それまでにも東風1・2・3型の各形式が存在していたが、東風4型は交流発電、直流モーター駆動という方式を中国で始めて採用したことで、それまでの形式とは一線を画す存在だ。
従来の電気式ディーゼル機関車は、直流発電、直流モーター駆動という方式が一般的で、上述の東風1〜3型や日本のDF50型機関車もこの方式を踏襲していた。この直流発電方式は、発生した電力を直接モーターに送れるという利点もあるが、高回転で発電機を回さないと十分な電力が得られずロスが多く、また発電機の保守にも手間がかかった。しかし、60年代になり交流発電機で得た電気を簡単に直流に変換できるシリコン整流器が実用化されると、電気式ディーゼル機関車の発電機には、小型軽量で大出力化が容易、かつ保守に手間のかからない交流発電機を採用するのが一般的になった。東風4型は、この、当時の世界的な潮流にあわせて登場した交流発電式の電気式ディーゼル機関車である。
東風4型は、その後それまでの主力機関車、東風1型に代わって中国鉄道の主力機関車となり、1976年登場の東風4A型、1985年登場の東風4B型と、エンジンの改良を加えながら増備を重ね、中国全土に配置されていくことになる。東風4B型に至っては1998年まで実に3558両が製作されたことからも、この機関車の優秀性がうかがえよう。また東風4以降に登場するディーゼル機関車の設計にも大きな影響を与えており、いささか地味な存在ながら、中国鉄道史に名を残す名車であると言っても過言ではない。
現在は、優等列車の高速化および幹線の電化が進み、さすがに第一線からは退きつつあるものの、まだまだその姿を全国で見ることができる。特に、近年蒸気機関車が生き残っていた地方鉄道や専用線への進出が進み、蒸気マニアの間ではすっかり憎まれ役の地位が定着してしまったようだ。
さて、この東風4型。緑亀の愛称からもわかるように、車体色は基本的には濃緑色。ただ帯の色には水色と黄色の2パターンあり、水色帯の機関車を「すいか」(西瓜)、黄色帯の機関車を「かぼちゃ」(南瓜)と呼ぶファンもいるようだ。また、4B型の旅客用は鮮やかなオレンジ色と黄帯といういでたちで、こちらの愛称は「みかん」(橘子)。
東風4型データ 製造初年 1974年(試作1969年) 製造所 大連機車車輌廠・資陽機車車輌廠 軸配置 C-C 動力伝達方式 電気式 駆動方式 釣掛式 全長 21100mm 自重 138t ディーゼル機関及び機関出力 16V240ZJB 2430kw/3300PS 電動機総出力 1900kw 最高速度 100km/h(貨物用)、120km/h(旅客用) すいか塗装の東風4A型。
東風B型との外観上の相違点は、車体正面下部(ナンバープレート上部に)通風グリルが装備されていることだ。
2008.08.10 北京北かぼちゃ塗装の東風4B型。
2008.06.06 莱蕪東旅客用の東風4B型には「みかん」塗装が多い。
2007.10.27 北京東便門