専運車  


専運車解説
専運車とは中国共産党や人民解放軍の高級幹部専用のVIP車輌のことを指します。日本で言えば、お召し列車に相当する特別車輌です。

伝統的なダークグリ−ンの客車でいえば最下層にあたる22系客車と同じ車体色を身にまといつつも、薄汚れた22系客車とは比べ物にならないほどピカピカに磨き上げられたその車体。サロン室やシャワー室を備えた豪華な車内設備は、建前はどうあれ現実は「中国は厳然とした階級社会である」ということを存分に知らしめてくれる存在です。
所属は各客車区ではなく鉄道部の直属。一般車輌に1ないし2両増結されることもあれば、専運車のみの専用編成で運行されることもありますが、そのダイヤは当然のことながら事前には全く公開されず、その運行形態は謎に包まれています。

ただ運行される前には、沿線に鉄道警察が人海戦術で張り付き厳重な警備をしくため、なんとなくそれと分かります。もし沿線で撮り鉄をして、たまたま運行日にあたってしまい運悪く見つかろうものなら不審者扱いで拘束、取調べを受けることは間違いなしです。私がここで撮影しているのは全て回送車輌。私もさすがに客扱い中の専運列車にカメラを向ける勇気はありません。

客車は初期は満鉄の「あじあ号」「大陸号」などで使われていた一等車、展望車があてられていましたが、後に22系/25系客車をベースにした国産車輌に切り替えられています。この車輌も三軸ボギー台車を履いた堂々たる外観の車輌ですが、鉄道高速化についていけずに廃車。現在は最新系列の25Tをベースにした車輌が使用されています。
この専運車、以前は公務車(車種記号GW)を名乗っていましたが、最近は偽装の意味もあるのか表面上はただの軟臥車を名乗っています。


 
DATA

製造初年  2004年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    59.5t
定員    10

軟臥車 RW25T 552754 北京客運段
 定期運用客車に1〜2両増結して使われるタイプの25T系ベースの専運客車で、中国客車ではほとんど使われない分散型クーラーを屋根に載せているのが外観上の大きな特徴です。
 定員はわずか10名で、窓配置が伝統的な専運車と同じことから、手前の三連窓の部分がサロン室。続いて一人用個室・一人用個室・二人用個室・二人用個室・四人用個室・従業員用四人用個室・厨房スペース、となっているものと思われます。
 25T系列は基本的に給電設備をもった専用の機関車によって運行されていますが、この客車は増結車輌という性格上全国のどこにでも、どの車種にでもつないで運行することができるよう冷房電源は床下のディーゼル機関で発電機を回して自家給電するシステムになっています。


軟臥車 RW25T 553615 北京東便門
 一編成丸ごと専運車で構成される、集中電源方式を採用した専運車編成もあります。
 これはその軟臥車。専用軟臥車、タイプ@としましょう。外観は南車・北車で製造された25T軟臥車に準じていますが、おそらくは外板はかなり厚手のものに、窓には防弾ガラスが採用されているものと思われます。

軟臥車 RW25T 552731 北京東便門
 専用車編成に連結される、高級軟臥車、一般軟臥車、サロン室の合造車と思われる車輌。仮に専運軟臥車、タイプAとします。
 左側の三連窓の部分がサロン室。続いてシャワーつき一人部屋個室。ついで二人部屋個室が2室、という室内構成になっていると推察しています。


軟臥車 RW25T 552789 北京東便門
 窓配置からして特殊な軟臥車。仮に専運軟臥車、タイプBとします。
 車内は一人部屋個室が4室とお付の者が入る通常タイプの軟臥車1室から成るのではないかと推測します。


餐車 CA25T 892748 北京東便門
 専運車編成に連結される食堂車。
 私が目撃した専運車編成には食堂車が3両連結されていました。
 これはそのうちのタイプ@。


餐車 CA25T 892761 北京東便門
 こちらは専運食堂車、タイプA
 タイプ@とは窓配置が異なります。


空調電源車 KD25T 995495 北京東便門
  専運車に使用される空調発電車です。
  
  ちなみに2007年8月25日に私が目撃した編成は下記のとおり。
東風11Z0002
KD25T
RW25T@
RW25T@
CA25T@
CA25T@
RW25T@
RW25T@
RW25TB
CA25TA
RW25TA
RW25T@
XL25T
RW25T@
RW25T@
RW25T@
RW25T@
RW25T@

DATA

製造初年 2006年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    46.0t

行李車 XL25T 206682 北京西客運段
 車輌段に置かれていた専運塗装の25T行李車です。


DATA

製造初年  1991年
車体長  25400mm
車体幅  3106mm
車体高  4433mm
自重    83.7t
定員    10
軟臥車 RW 50340 環形鉄道実験線
 初期の25系客車をベースにしたと思われる専運車ですが、車番のみで形式名はありません。三軸ボギー台車を履いていて、その重量なんと83.1tもあります。
 車内は右側の三連窓の部分がサロン室。続いて一人用個室・一人用個室・二人用個室・二人用個室・四人用個室・従業員用四人用個室・厨房スペース、となっています。
 最高速度が120km/hのため、定期列車の高速化とともに使用の場がなくなり、登場後わずか数年で廃車となってしまいました。
 長らく北京の鉄道博物館横の側線に放置されていましたが、現在は博物館内に保存されています。


DATA

製造初年 1993年
車体長  25500mm
車体幅  3104mm
車体高  4433mm
自重    75,1t
定員    10
軟臥車 RW 50358 環形鉄道実験線
 25B系をベースにしたと思われる専運車で、上のRW50340に較べると窓配置は同じながらも車体のリブが消えて近代的な装いになっています。
 自重もRW50340に較べるとかなり軽量化されましたが、それでも75.1tもあります。
 この客車も120km/h対応なのが仇となり、わずか数年で廃車され長らく北京の鉄道博物館横の側線に放置されていましたが、現在は博物館内に搬入されています。


軟臥車 RW 50356 台車
 RW50358と同タイプのRW50356が履く三軸ボギー台車。
 このようなウイングバネタイプの三軸ボギー台車は珍しいのではないでしょうか?乗り心地は非常によさそうです。