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中国語で「青い矢」を意味する藍箭は、X-2000をベースとして株洲電力機車廠と長春軌道客車廠、株洲電力機車研究所の三社が共同で開発した最高速度200km/hの動力集中式電車編成である。ベースとなったX-2000同様、動力車は片側に1両のみ。非動力側には運転台付きの客車を連結したペンデルツーク式を採用している。編成は動力車1両と一等軟座車5両、運転台付一等軟座車1両の計7両で、二本つなげた14両編成での運行も可能だ。
中国独自で開発した車輌という触れ込みではあるものの、そのベースとなったのはスウェーデンのX-2000であり、制御機器にはフランスよりGTO素子を利用したVVVFインバーターを輸入、モーターもドイツのICE製造メーカーであるアドトランツ社(現ボンバルディア社)から輸入しているなど、核心部分は外国製品で固められている。ただしX-2000車両の肝である振り子機能については、模倣することができなかった。
座席はリクライニングシートではあるものの、その傾斜角度はわずかでやや物足りない。しかし、肘掛に小型の折りたたみ式机と220vのコンセントがあり、ビジネス客への便宜を図っている。
藍箭は、2000年から2001年にかけて8編成が相次いで登場し、2001年1月より、広州〜深セン間を結ぶ準高速列車に投入され15分に一本という高密度での運行を実現した。
主要機器に外国製品を利用していることもあってか、藍箭は中国の動車組としては珍しく、さしたるトラブルもなく、登場後一度も広深線を離れることなく運行を続けていた。この成功を受けて2003年に4編成を大連〜瀋陽間に投入する計画が持ち上がり、実際に部品の輸入まで行われたものの、こちらは残念ながら実現には至らなかった。
2007年4月にCRH1型が登場すると、藍箭は広深線での運行を停止。その後、広東省北部の韶関〜坪石間を結ぶ城際列車として1編成が細々と運行されていたものの、こちらも2008年2月までに運用を停止してしまった。しかし2008年2月に成都〜重慶北間を結ぶ城際列車として復活。2009年10月に同区間にもCRH1型が投入されると、重慶北〜達州間を結ぶ城際列車に転用され、現在も同区間を1日3往復している。
不調続きで短期間で運用を離脱してしまうことが多い国産電車の中で、転用を繰り返しながらも10年に渡り安定して運用されていることは特筆に値する。比較的まとまった両数が存在していることもあり、生き残った数少ない国産電車として、今しばらくの活躍を期待したい。
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