NYJ1型 1998年〜

2007.08.12 太原
車両解説
 NYJ1型は、1998年から製造が開始された地方都市間の短距離輸送を目的として製作された動力集中タイプの液体式気動車である。両端に流線型ボディーの動力車、中間に輸送需要に合わせて4両〜8両の付随客車を連結するプッシュプル式を採用しており、客車には制御用の引き通し線を設けているため、先頭の動力車から後部の動力車を総括制御することが可能となっている。製造を担当したのは、主に四方機車車輌廠だが、一部長春客車廠製も存在する。

 動力車は、車体の3分の2が運転台・機器室、残りの3分の1が客室および洗面所という構成。機器室は、前方からエンジンルーム、冷却室、発電室、配電室の5部屋に区分されている。
 
 エンジンルームには出力1000kwのアメリカ製ディーゼルエンジンが一基配置されている。通常動力車は2台一組で使用されるため編成出力は2000kwとなる。
 冷却室には、エンジンの冷却装置と、動力伝達用のトルクコンバーターを配置。エンジンで発生した動力はトルクコンバーターを介して前よりの二軸に伝達される。
 発電室には出力200kwの発電機を搭載していて最大5両の客車に給電することが可能である。
 配電室には、発電機の制御装置、空調機の制御装置、車内放送設備などがある。
 客室部分は、硬座だったり、硬臥だったりと、投入された各鉄路局によって仕様が異なるものの、騒音の問題があるためか、専ら従業員用として使用されているようである。

 付随客車は、25系客車を基礎とした普通鋼製だが、動力車ともども車体幅が3205mmと従来の客車に比べて100mm拡幅され、このため裾絞り車体を採用しているのが大きな特徴である。プラグドアや一部車輌には真空客車フラッシュ式トイレが客車に先駆けて採用されている。軟座車、硬座車、寝台車の他、寝台・軟座合造車、硬座・軟座合造車など、投入される地区の実情にあわせて、多くの車種が製作されているのも特徴の一つである。

 小単位の編成が可能であることから地方鉄道でも好まれ、各地でオリジナルカラーを身にまとって活躍中であるが、一部には動力車の不調から動力車を外され、その代わりに25G系客車や25K系客車の空調電源車を連結して機関車による牽引になってしまっている編成も存在する。
 以下、各地での使用状況について簡単に解説しよう。


NYJ1型データ
製造初年 1999年〜2001
製造所 四方機車車輌廠・長春軌道客車廠
車体材質 普通鋼
動力伝達方式 液体式
編成出力 2000kw
車体長 25000mm
車体幅 3205mm
車体高 4050mm
運転最高速度 120km/140km

 南昌局/九江-JIU JIANG
 19992月とNYJ1型が最も早く投入された地区。愛称は「九江」。車体色は、白をベースに窓周りが赤。窓の下に黄色の帯が入っている。編成は動力車2両と客車4両の2M4T。客車のうち1両は硬座・軟座合造車(ただし車体表記は軟座車)となっている。二編成存在し、当初は南昌と昆明に一編成ずつ配置されたが、後に南昌に集結。現在は南昌〜九江/九江〜井岡山への城際列車に使用されているが、動力車は不調で付随客車のみを二編成連結した8両編成として機関車が牽引している。

九江編成表

号車 1※ 2 3 4 5 6※
形式 NYJ1 YZ25DT YZ25DT RZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬座
(業務用)
硬座 硬座 軟座/硬座 硬座 硬座
(業務用)
定員 33名 128名 128名 軟座48名
硬座48名
118名 33名

16号車は現在は連結されず。機関車牽引に変更。



ハルピン局/北亜-BEI YA

1999年にハルピン局向けに投入された車輌で愛称は「北亜」。北亜には、四方機車車輌廠製4編成、長春客車廠製3編成の計7編成が存在し、車体色は前者が白と青のツートンカラー、後者が銀色ベースに赤帯。長春製の車輌は車体色からステンレス車体と誤解されがちだが、両者ともに普通鋼製である。車輌編成は両者ともに2M5Tだが、四方製はオール硬座、長春製は軟座車も1両連結されている点が異なる。登場から現在に至るまで四方製の北亜はハルピンを中心にジャムス、牡丹江への城際列車に、長春製の北亜はチチハルへの城際列車に使用されているが、長春製のほうの動力車は不調に終わり、機関車が付随客車のみ牽引している。

北亜編成表
●四方機車車輌廠(南車)製編成
号車 1 2 3 4 5 6 7
形式 NYJ1 YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬座
(業務用)
硬座 硬座 硬座 硬座 硬座 硬座
(業務用)
定員 33名 118名 118名 118名 118名 118名 33名

●長春客車廠(北車)編成
号車 1※ 2 3 4 5 6 7※
形式 NYJ1 RZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬座
(業務用)
軟座 硬座 硬座 硬座 硬座
(業務用)
硬座
(業務用)
定員 33名 80名 118名 118名 118名 118名 33名
※当初より1、7号車は連結されず機関車牽引。

DATA

製造初年1999年
車体長  24370mm
車体幅  3205mm
車体高 4050mm
自重   77.3t
定員   33

NYJ1型 北亜 ハルピン駅
ハルピン〜牡丹江・ジャムス間の城際列車運用につく北車製の北亜は、オール硬座のモノクラス編成。新幹線を多分に意識したと思われる流線型の前頭部と丸い連結器カバーが特徴だ。
NYJ1型4006A 北亜 ジャムス駅(画像提供 ボーゲン様)
NYJ1型は、後三分の一が座席となっているが、通常は乗務員休憩室として使用され、客扱いはしない。


DATA

製造初年1999年
車体長  25500mm
車体幅  3205mm
車体高 4050mm
自重   46.2t
定員   118

硬座車 YZ25DT 345984 ジャムス駅(画像提供 ボーゲン様)
動力車の中間に挟まれる「キサハ」相当の付随客車。
25系客車より100mm拡幅され、裾絞り車体になっているのが特徴。



集通鉄路公司/罕露-HAN LU

かつて前進型蒸気機関車牽引の客車列車が最後まで残った地としてSLファンの間では有名地方鉄道、集通鉄路公司に20017月の開業時より三編成が投入された車輌である。愛称は「罕露」。車体色は白色ベースに窓周りが紺色、窓の下に赤い帯が一本入る25K型客車と同一色が採用されている。

もともと短距離用として開発されたNYJ2型であるが、この路線では例外的にフフホト〜通遼1153kmの長距離運用に投入されている。このため、業務用の動力車部分の客室が硬臥仕様になっている他、客車も2両が硬臥車となっている。なお車体高の関係で、硬臥車に二段式ベッドを採用しているのが珍しい。

 この車両を使用していたK501/502次の運用は2009年2月をもって25G客車に置き換えられ、当車は現在運用を外れてしまった。

罕露編成表
号車 1 2 3 4 5 6 7
形式 NYJ1 YW25DT YW25DT RZ25DT YZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬臥
(業務用)
硬臥 硬臥 軟座 硬座 硬座 硬臥
(業務用)
定員 12名 44名 44名 80名 118名 118名 12名


太原局/晋龍-JIN LONG

20007月に太原局に二編成投入された車輌で愛称は晋龍。晋とは山西省の別称であり、その名のとおり山西省を南北に龍のように縦断することから、その名が付けられている。

この車輌を最も特徴付けるのは2号車に連結される軟座、硬臥合造車RZYW25DT型で、硬臥部分は、硬臥ながら車体高の関係で二段ベッド、更に扉のついたコンパートメントタイプになっている。

 現在は太原と運城にそれぞれ一編成ずつ配置され、太原-運城間を結ぶ快速列車として同区間を一日二往復している。

晋龍編成表
運城←  →太原

号車 1 2 3 4 5 6 7
形式 NYJ1 RZYW25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬座
(業務用)
軟座/
硬臥包
硬座 硬座 硬座 硬座 硬座
(業務用)
定員 33名 軟座36
硬臥16
118名 118名 118名 118名 33名

DATA

製造初年2000年
車体長  24370mm
車体幅  3205mm
車体高 4050mm
自重   76.0t
定員   33

NYJ1型4008B 晋龍 太原駅 2007.8.12
晋龍用のNYJ1型気動車。北亜車とは、ノーズ部分が鋭角なフォルムになった他、正面の窓やライドの形状に差異が見られる。

DATA

製造初年2000年
車体長  25500mm
車体幅  3205mm
車体高 4050mm
自重   46.2t
定員   118

硬座車 YZ25DT 346835 太原駅 2007.8.12
動力車の中間に挟まれる「キサハ」相当の付随客車。
2裾絞り車体・ボディマウント構造のスマートな車体だ。

YZ25DT 硬座車 車内
YZ25DT型硬座車の車内。一般的な硬座車と変わりはない。

YZ25DT 車販準備室?
硬座車の一端に設けられた車販準備室?
電子レンジと流しを備えた本格的なものだが、使用されていない様子。

DATA

製造初年2000年
車体長  25500mm
車体幅  3205mm
車体高 4050mm
自重   47.1t
定員  軟座36
     硬臥包16

軟座硬臥合造車 RZYW25DT 100450 太原駅 2007.8.12
編成中に1両連結される晋龍を特徴づける軟座・硬臥合造客車RZYW25DT。
日本風にいえばキサハネロとなるだろうか。

RZYW25DT 軟座部分 車内
軟座部分の車内。座席は向かい合わせ式の固定クロスシート。
奥に硬臥寝台へと続く通路が見える。

RZYW25DT 硬臥部分 通路
硬臥とはいえ、コンパートメント式の「硬臥包」で一見軟臥と変わりません。
短距離列車ゆえに寝台の必然性には疑問符が付きますが、特等車両的役割を担っているようです。

RZYW25DT 硬臥部分 室内
通常の25系客車に比べ車高が低いため、寝台は二段式。
寝台幅を除けば、ほぼ軟臥と同様の快適性を誇ります。




沿海鉄路公司/北海-BEI HAI
南寧から北海までを結ぶ地方鉄道、沿海鉄路公司が所有する車輌で、一編成が北海に配置され20015月より現在まで南寧〜北海間を結ぶ快速列車として活躍中。編成は2M4T。車体色は青と灰色のツートンカラーで、窓の下に赤と白のラインが入る。

北海編成表
号車 1 2 3 4 5 6
形式 NYJ1 RZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬座
(業務用)
軟座 硬座 硬座 硬座 硬座
(業務用)
定員 28名 80名 118名 118名 118名 28名
NYJ1型 北海 南寧駅 画像提供 ボーゲン様

北海 軟座車 車内 画像提供 ボーゲン様



神華集団包神鉄路/神華-SHEN HUA
 炭鉱、港湾設備、鉄道などを保有する一大企業グループ神華集団の経営する鉄道のひとつで内蒙古自治区の包頭から神木北までを結ぶ包神線に2001年に一編成投入された車輌。
 NYJ1形クラスの編成では最も長い2M8T10両で、現在も同区間を走行中。

神華編成表
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
形式 NYJ1 RZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT YZ25DT NYJ1
車種 硬座
(業務用)
軟座 硬座 硬座 硬座 硬座 硬座 硬座 硬座 硬座
(業務用)
定員 33名 80名 118名 118名 118名 118名 118名 118名 118名 33名