北京〜ラサ T27次特快乗車記(その8)

鉄道世界最高地点をゆったりくつろぎながら過ごしたいということで食堂車へ移動しました。
これが、食堂車での最後の食事になります。日に日にメニューが乏しくなっているような気がしますが、限られた食材の中でなんとかやりくりしているため、仕方がないのでしょうか。
さて、驚いたことに今回出てきたご飯は芯の残ったなんともマズいご飯でした。よく考えれば標高5000mという高地ですから、低温でお湯が沸いてしまいうまくご飯を炊くことができないのでしょう。これもまた、高地を走る鉄道ならではの味わいといえましょうか?
「布強格」通過。
沿線人口は皆無に等しいのですが、青蔵鉄路は単線のため、列車交換のためだけに、こうした小駅(というか信号所)が結構存在します。
鉄道世界最高所に向けて、ゆるやかな坂を上っていきます。
前方に見える小さな建物が、鉄道世界最高所、標高5068mの「タングラ(唐古拉)山口」。山口は中国語で峠の意味です。
ここで観光、記念撮影のために停車してくれることを期待したのですが、列車は何事もなかったかのようにあっさり通過。車内放送くらいあってもいいのに・・・。
タングラ峠頂上付近の光景。
「ツォナ湖」にて行き違いのため運転停車。
美しい湖のほとりにある信号所です。
妻は頭が痛いといって、寝てしまいました。
車内は与圧構造などと謳っているようですが、トイレの窓は開きっぱなしです。空気の薄さに身体がおかしくなっても不思議ではありません。
最後尾に行ってみると、後方の景色がばっちり見えました。美しいチベットの風景の中を伸びる線路が撮れますので、客車最後尾は穴場です。
なだらかな丘陵をぬって続く高架線もごらんのとおり、綺麗に撮れました。
「ナクチュ(那曲)」の町が見えてきました。
昔、ゴルムドからオンボロバスでラサに向かったとき、バスはエンコしまくりで一日でラサに着かず、この町で1泊することになったのです。
その町を、空調完備の軟臥車で通り抜けるなんて、隔世の感があります。
「ナクチュ」到着。
ゴルムド〜ラサ間は禁煙のため、多くの乗客がホームでタバコを吸っていました。ただ、空気が薄いためか、なかなかライターがつかず、皆もらい火をしたり、調子のいいライターを借りたりしていたのが印象的です。
「ナクチュ」の駅名票。
標高4513mだそうです。
駅舎についている看板。
チベット文字併記です。
機関車をとるため、先頭まで走る。ただそれだけでひどい息切れ。空気の薄さを実感します。
白い機関車は、ギラギラ照りつける太陽、青い空、緑の草原の中で見ると非常に映えます。なかなか良いセンスの塗装だと思いました。

北京〜ラサ T27次特快乗車記(その9)